以下、御紹介する書籍は、教会学校教師が自己の研鑽のために読んでおくことが望ましい本。
また、献身を考え神学校に入ろうしている方が、神学校の授業を受ける前に読んでおくとよい備えができるものです
1.釈義・聖書解釈の分野
# 聖書を原語で読みたい方へのお勧め
『新約聖書ギリシャ語入門』片山徹 キリスト教図書出版社
『旧約聖書ヘブライ語入門』片山徹 キリスト教図書出版社
聖書原語入門の書籍は色々ありますが、要領よく文法事項がまとめられた、この二冊を学ぶと、原語のテキストに親しめるようになります。ゆくゆく神学校で、 Dana&Mantey やLambdinで聖書原語を本格的に学びたいと思われる方にとっても、最適な準備書でしょう。
# 旧約聖書や新約聖書の背景について知りたい方へのお勧め
『新約聖書の生い立ちと成立』榊原康夫 いのちのことば社
『旧約聖書の生い立ちと成立』榊原康夫 いのちのことば社
『旧約聖書の写本と翻訳』榊原康夫 いのちのことば社
今日私たちが手にしている聖書がどのように成立したのか、また写本で伝えられてきた聖書の歩みと翻訳の過程を学ぶことができます。
『新約聖書の本文研究』B.M.メツガー 日本キリスト教団出版局
『旧約聖書の本文研究』E.ヴュルトヴァイン 日本キリスト教団出版局
これらはより本格的ですが、わかりやすい書籍です。
# 聖書の正しい解釈の仕方についてわかりたい方へのお勧め
『聖書解釈学概論』バーナード・ラム 聖書図書刊行会
聖書解釈を平易に語っている本が残念ながらありません。難しそうですが、プロテスタント聖書解釈学の標準的なテキストです。古いものですから、現代の聖書解釈学、1970年代以降の変化、いわゆる共時的な構造主義的解釈や文芸批評などの解釈アプローチについては説明されていません。
『聖書を正しく読むために(総論)』(ゴードン・フィー)
文学ジャンルに基づいた解釈の方法を教えてくれます。ラムの続編としても読めます。
# 聖書の考古学的背景を知りたい方へのお勧め
『わかりやすい旧約時代の生活ハンドブック』J.ビムソン CS成長センター
『聖書地理』チャールズ・F・ファイファー
『聖書理解のためのガイドブック』ジョンR.W.ストット 聖書同盟
『イエスについての聖書外資料』F.F.ブルース 教文館 ISBN4-7642-8016-7
2.聖書神学の分野
# 聖書の各書の特徴を概観したい方へのお勧め
『イラスト早わかり聖書ガイドブック』F.ブランケンベイカー いのちのことば社
『聖書ハンドブック』H.H.ハーレー 聖書図書刊行会 ISBN4-7912-0064-0
『旧約聖書外観』サムエル・J・シュルツ 聖書図書刊行会
『新訳聖書外観』メリル・C・テニイ 聖書図書刊行会
# 聖書の各書をこつこつと詳しく学びたい方へのお勧め
新聖書講解シリーズ新約(全12巻)、旧約(全19巻)
『ガラテヤ人への手紙講解』ジョン.R.W.ストット いのちのことば社
『山上の説教 上』D.M.ロイドジョンズ いのちのことば社
『山上の説教 下』D.M.ロイドジョンズ いのちのことば社
3.組織神学の分野
体系的に聖書の神学を学びたい方へのお勧め
『新版聖書教理ハンドブック』H.リンゼル、C.ウッドブリッジ いのちのことば社
『信仰生活に必要な教理の学び』ポール・リトル
『神について』J.I.パッカー いのちのことば社
欧米の一部の神学校では神学概論入門テキストとして使用しています。
『聖霊のバプテスマと満たし、今日における聖霊の働き』ジョンR.W.ストット いのちのことば社
『カルヴァン・キリスト教綱要(全7冊)』カルヴァン 新教出版社
じっくり神学の基本を学びたかったら、やはり、ここに戻ってくるようです。
『マルティン・ルターの神学』カール.F.ヴィスロフ いのちのことば社
『ルターとカルヴァン』カール.F.ヴィスロフ いのちのことば社
マルチン・ルターの宗教改革に始まるプロテスタント神学の基礎は、以上の二冊。カトリックとの違いやプロテスタントの特徴をよく理解するために必読です。
『現代キリスト教神学入門』W.E.ホーダン 日本基督教団出版局
米国の神学校の一部で神学概論の入門テキストとして使用されています。現代に至るまでの、プロテスタント神学の流れを理解できます。
『夜明けか黄昏か』H.M.カーソン いのちのことば社
カトリック神学の特徴を学べます。
『キリスト教の将来と福音主義』アリスター・マグラス いのちのことば社
現在のキリスト教界は、エキュメニカル派、福音派、カリスマ派と三分状態のようです。その中で、福音派のルーツとアイデンティティ、また課題を理解するによい書だと言えるでしょう。
『現代神学の最前線』
# キリスト教倫理を学びたい方へのお勧め
『バークレーのキリスト教倫理』ウィリアム・バークレー ヨルダン社
『十戒-現代倫理入門-』ウィリアム・バークレー 新教出版社
4.歴史神学の分野
# キリスト教の歴史(教会史・宣教史)を学んでみたい方へのお勧め
『キリスト教会2000年』丸山忠孝 いのちのことば社
簡単にまとめられていて、キリスト教史の流れが短時間で概観できます。
『基督教全史』E.E.ケアンズ 聖書図書刊行会
キリスト教史の理解が深まります。巻末には、日本キリスト教史もまとめられていて、参考になります。
# キリスト教の教派の関係や流れを簡単に知りたい方へのお勧め
『よくわかるキリスト教の教派』今橋朗・徳善義和 キリスト新聞社
エキュメニカル(教会一致運動)の立場から書かれています。福音派の超教派的協力という考え方とは異なる立場にあることを心得て読まれるとよいでしょう。各教派の成り立ちと特色については、明快に語られており参考になります
5.実践神学の分野
# 牧会の働きに理解を深めたい方へのお勧め
『牧師室の祈り』野田秀 いのちのことば社
『牧会入門』C.H.スポルジョン 聖書図書刊行会
『今求められる牧師と信徒のあり方』ジョン・ストット いのちのことば社
『教会戒規』J.カール・レーニー いのちのことば社
『教会管理ハンドブック-牧師と役員のために-』伊藤隆夫
# 説教の働きに理解を深めたい方へのお勧め
『新約聖書の釈義-本文の読み方から説教まで』G.D.フィ- 教文館
説教がテキストレベルで、どのように作られてゆくのかがわかります。
『講解説教入門』ハッドン.W.ロビンソン 聖書図書刊行会
『キリスト教説教入門』藤原導夫 いのちのことば社
# カウンセリングの働きに理解を深めたい方へのお勧め
『牧会カウンセリングをめぐる諸問題』西垣二一 キリスト新聞社
文系出身のカウンセラーには抜け落ちてしまいやすい、医学的視点を含めた、最もバランスの取れた牧会カウンセリングの考え方を提示しています。
『教会の働きとカウンセリング』ラリー・クラブ いのちのことば社
論理療法をはじめ、最新のカウンセリング理論を踏まえた内容を提供しています。
『新・電話カウンセリング-他者への配慮のために-』ゴードン.C.ハンブリー 一麦出版社
簡単な内容ですが、カウンセリングのエッセンスが詰まっています。解説が必要です。
『こころを聴く-牧会カウンセリング読本』三永恭平 日本キリスト教団出版局
読み物風に、カウンセリングの心構えが学べます。
『教会と性的罪について』ジョン・ホワイト いのちのことば社
意外と多いのが性の相談、理解を深めておく必要があります
# よりよい親子関係を考えるとき
『子どもに信仰を伝えるための20章』ジョン・M・ドレッシャー CS成長センター
『若い父親のための10章』ジョン・M・ドレッシャー CS成長センター
『信仰のバトンタッチ』CS成長センター編 CS成長センター
『ゆたかなこころを育てる』土屋綾子 CS成長センター
『子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方』アデル・フェイバ、エレイン・マズリッシュ 騎虎書房
『クリスチャンのための親業』E.H.ゴールキィ 新教出版社
6.宗教学の分野
『宗教心理学』松本滋 東京大学出版会
宗教学的に自己の信仰を味することができます。「第3章 幼少期の宗教心理」から「第5章 成人期の宗教心理」の各論部分が読みやすいでしょう。
『宗教学』岸本英夫 大明堂
宗教学についての基本的な教科書です。自身の信仰を包括的で学的な枠組みから吟味することができます。
7.コンピュータソフトウエア
J-ばいぶるシリーズ
聖書の達人