1.はじまり
玉川キリスト教会は、1989年12月、日本バプテスト教会連合、東京地区の16番目の開拓教会としてスタートしました。福井誠牧師のビジョンに基づく株分け方式ではない、信徒ゼロからのスタートでした。
初めは二子玉川駅前AMビルの貸しホールで毎週日曜日の礼拝を、その他の集会は福井牧師が住む六畳一間のアパートにて行ないました。その後間もなくしてオーナーチェンジのためAMビルの貸し出しが終了しましたので、セントメリー・インターナショナル・スクールの一教室などの施設を借りて集会を続けました。
2.商店街に進出
2001年に東京地区連合の経済支援から自立、2003年二子玉川商店街の中に、現在の玉川グリーンハイツ地下1階部分ワンフロアーを購入し、恒久的な活動拠点と定め、新たなスタートを切りました。この大きな決断をしたメンバーは牧師夫妻を含めてわずか6人、開拓伝道開始13年目のことです。
しかしこれによって、歩いて通える距離に住む地元メンバーが加えられ、教会のコアグループが形成されました。
3.百合丘教会の兼牧
2007年、福井牧師は、百合丘バプテスト教会の顧問牧師となりました。百合丘教会は、無牧が続き、40名ほどいた礼拝出席者が、一桁になり存続が危うくなっていた狭隘でしたが、2年間の兼牧により、2009年に教勢をV字型回復し、新会堂の建設、後継牧師の招聘と再建を果たしました。当時は、あまり試みられることもなかった教会のデジタル化を進め、玉川と百合丘教会のSkypeによるオンライン礼拝や、平日の聖書研究会を実施することにより、玉川教会の霊的成長の助けにもなり、玉川教会の安定化がさらに進みました。子どもたちのミニストリーも広がり、百合丘教会のみならず、新座志木教会と三教会での合同の交わりが進み、子ども向けのサマープログラムも定例化しました。
4.役員会の形成
2013年には、牧師・牧師夫人を核とする運営体制から牧師と執事を核とする役員会による運営体制が機能するようになり、信徒の教会運営の意識が高まり、2015年にようやく教会が執事会のリーダーシップのもと、牧師の個人的な働きを超えた組織として動いていく体制が整いました。
5.新規開拓(多賀城、ネパール)
2015年からは、3.11東日本大震災被災地である宮城県七ヶ浜国際村に中橋修・マリ先生ご夫妻を送り出し、開拓伝道がスタート(多賀城コーナーストン教会)、2018年には、ネパール国バクタプルでの教会開拓に、リチャン&ベリーナ・カルマチャリア師を派遣しました。「開拓自立」から「教会を生み出す教会」へ、宣教的教会の働きが勧められるようになりました。また、2016年からは米国シンシナティのピープルズ教会(アッセンブリ―ズオブゴッド)、モーズニーのグッドニューズ教会(コンバージ)との青年交換交流プログラムもスタートしました。
6.コロナ禍と多文化共生教会への道
2019年より始まったコロナ感染症拡大は、玉川教会にとっても、試練の時となりました。これによって、どんな困難も一緒に乗り越えていく信徒の祝福を味わうことができました。
また、この機会に、日本人よりも、外国人が教会に多く集まるようになり、玉川教会は多文化共生教会の在り方を模索し始めました。一時期、10名以上の外国人が集う教会となり、現在は、同化型)Assimilation type)から、多文化共生型(Intercultural type)への移行を目指して試行錯誤を繰り返しています。米国人、韓国人、香港人、インド人、スリランカ人等の方々が集っています。
なお2020年には、教会音楽主事を迎え、トラディショナルスタイルの礼拝の充実化に努めています。
以上の流れの中で、玉川キリスト教会は、教会が地域社会にオープンとなり、社会の課題に取り組みながらキリストの十字架愛を実践することを目指して、さらに多方面の活動を生み出しています。
7.NPO法人HFIの働きが誕生
1995年4月より、牧師の個人的な働きとして、HFDJの活動が開始されました。フィリピン国セブ島の貧しい子どもたちの就学支援を行う任意団体です。2006年よりネパールにフィールドを拡大、またモンゴルのリハビリクリニックも開始しました。2008年に東京都認証のNPO法人HFIとなりました。
その後、教会の働きから切り離し、キリスト教精神に基づく公益的活動となることを目指し活動を発展させ、2012年国税庁認定、2019年東京都認定のNPO法人HFIとなりました。
2015年からは、一般企業や公益財団などの協力を得、主として農業や水、保健医療福祉等のインフラを整備し、地域を開発するプロジェクトを手掛けるようになり、持続可能な支援となるように、総合的なアプローチを進める団体として活動を展開しています。文科省、日本住宅財団、かめのり財団など複数の団体からの感謝状や賞を受賞しております。
8.You Tube「パスターまことの聖書通読一日一生」の働きが誕生
また、信徒教育活動の一環として1999年に信徒向けに配信されたパストラルメールは、一週に一度の配信がなされていましたが、その後2006年12月より毎日配信されるようになり、さらに、WEB上では聖書通読ブログ「パスタ―まことの聖書通読一日一生」として公開されるようになりました。2020年10月よりStand FM や You Tubeによる「聖書通読ブログ音声版」もスタート、2024年6月12日よりYou Tube パートナーとなりました。私の願いは、聖書が国民の愛読書となることです。毎日一日一章聖書を読み進み(聞きながら)、神のことばを読む楽しい時を過ごし、一日一生を得ることを標語に、3年半の聖書通読を進め現在第6シーズンが開始されています。はや26年以上が経ちました。
9.二子玉川聖書学院の働きが誕生
2016年福井師が個人的に始めた教会内の聖書塾は、役員会の発案と後押しで、二子玉川聖書学院として独立し、国際教育開発合同会社の法人格のもと運営される超教派の聖書教育機関として働きを進めています。一般信徒が、より聖書の世界を深く学び、信仰を養い、所属教会への愛を深め、所属教会を通して主に仕えることを励ます聖書学院です。また牧師の継続教育機関であるパスターズスクール部門も併設しています。現在、近隣の様々な教派の教会から学びに来る方々が起こされています。
10.育ちの村の働きが誕生
教会設立当初より個別カウンセリングを主とする「心の相談室」を行ってきましたが、相談室内だけの相談では、なかなか解決が難しい問題に直面し、読書会によるグループワークを併設する「育ちの村」としての活動を進めています。福井牧師は、2024年9月にマインドフルネススペシャリストの資格を取得、現在は、マインドフルネスを指導しています。将来的には、農場を併設し、共同生活をしながら、共に育ちあう村の形成を夢見ております。