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第12回 私たちはどんな社会を望むのか

消費税の本当のテーマ

この連載は、コンビニのおにぎりや100円のお菓子にかかる消費税から始まりました。しかし、最後に見えてきたのは、税率の話だけではありません。

税金とは何か。公平とは何か。自由とは何か。助け合いとは何か。政府、家族、地域、そして一人ひとりは、どんな責任を引き受けるのか。私たちは消費税を入り口に、社会の設計図を考えてきました。

消費税を10%にするのか、下げるのか、ゼロにするのか。もちろん大切な議論です。しかし、その前に「どんな社会を作りたいのか」を決めなければ、必要なお金も、負担の方法も決まりません。

高齢者が安心して暮らせる社会。子どもが家庭の経済状況にかかわらず学べる社会。働く人が努力を生かせる社会。病気や失業で困ったときに、立ち直る機会がある社会。どの願いにも費用がかかります。

そこで必要になるのが、支出と負担を同時に考える姿勢です。「このサービスは必要だ」と言うなら、誰がどう負担するのかを考える。「この税を下げたい」と言うなら、何を見直すのか、別の財源をどうするのかを考える。

民主主義とは、誰かが完璧な正解を教えてくれる仕組みではありません。異なる意見を持つ人々が、事実を確かめ、理由を説明し、妥協もしながら、より良い答えを探し続ける仕組みです。

中高生のみなさんも、やがて選挙権を持ちます。そのとき、耳ざわりのよい言葉だけで判断せず、「目的は何か」「誰が負担するのか」「弱い立場の人はどうなるのか」「将来も続けられるのか」と問いかけてください。

そして最後に、もう一つの問いを残します。私たちは社会から何を受け取るかだけでなく、社会のために何を分かち合うことができるのでしょうか。

消費税という小さな数字の向こうには、私たちが一緒に生きる社会の形があります。答えは一つではありません。だからこそ、考え、話し合い、選び続けることが大切なのです。

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