税率が高い国は不幸なのか?
税率を世界と比べる
「日本の消費税は10%。高すぎる!」そう感じる人もいるでしょう。では、世界に目を向けるとどうでしょうか。実は、日本より付加価値税の標準税率が高い国はたくさんあります。
たとえば、フランスは20%、ドイツは19%、スウェーデンは25%です。数字だけを見ると、「そんなに取られるの?」と驚きます。ところが、ここで話を終えてはいけません。
同じ国でも、すべての商品やサービスに標準税率がかかるとは限りません。食料品、本、医薬品などに低い税率を設けている国があります。税率の数字だけを並べても、国民の実際の負担は十分にはわからないのです。
負担とサービスを一緒に見る
さらに大切なのは、集めたお金を何に使っているかです。たとえばスウェーデンでは、教育、子育て、医療、失業時の支援などを社会全体で広く支える考え方が重視されています。国民は高い負担を求められる一方で、生活のさまざまな場面で公的サービスを受けます。
一方、アメリカには、日本の消費税にそのまま当たる連邦税はありません。州や地域ごとに売上税があり、税率も異なります。また、大学の学費や医療保険などで、個人の負担が大きくなる場合があります。
ここで気づくことがあります。大切なのは、税率だけではないということです。「みんなで負担し、みんなで支える」ことを重く見る国もあれば、「自分の選択と責任」をより重く見る国もあります。
どちらが正しいのでしょうか。簡単には決められません。それぞれの国で、歴史、文化、政府への信頼、家族や地域の役割が違うからです。
みなさんなら、税金は高いけれど公的サービスが充実した国と、税金は比較的低いけれど自分で備えることが多い国の、どちらを選ぶでしょうか。
国際比較では、税率だけでなく、税を含んだ負担全体を見る必要があります。消費課税が高くても、医療費や授業料の自己負担が小さい国があります。反対に、税率が低くても、保険料や学費を個人が多く負担する国もあります。また、同じ制度でも、行政への信頼やサービスの質によって受け止め方は変わります。数字を一つだけ取り出して「この国をまねればよい」と結論づけず、負担、給付、制度の利用しやすさを一緒に比べることが大切です。
次回は「高福祉・高負担」の社会を見ながら、「安心」と「幸せ」の関係を考えます。税金の話が、実は「どんな人生を安心して送れるか」という問いにつながっているのです。 ©Dr. Makoto
Comparing tax rates around the world
Japan’s standard consumption tax rate is 10 percent, while many European countries have higher value-added tax rates. France uses 20 percent, Germany 19 percent, and Sweden 25 percent. However, many countries apply lower rates to food, books, medicine, or other necessities. A single headline number does not show the real burden on households.
Compare services as well as burdens
High-tax countries may use the revenue to reduce the private cost of healthcare, education, childcare, or unemployment. Lower-tax systems may leave more of these costs to individuals through tuition, insurance, and fees. Trust in government and the quality and accessibility of services also shape how people feel about taxes. International comparison should therefore examine total burdens, benefits, and ease of access. The question is not simply which country has the lowest rate, but which combination of public support and personal responsibility people prefer. ©Dr. Makoto


